仏教を実践する者は心穏やかに生きることができる

昨今、ニュースを見ていると、コロナウィルス感染者を誹謗中傷したり、家を見つけて石を投げたりという情報を聞く。近隣の都市では、感染者を出した家庭は引っ越ししたとも聞いている。

なぜ、そのようなことが起こるのか。洞察すると、コロナウィルスが身近に迫り、不安な心が、そういった愚行を誘発している。また、自分の考えや行動は正しい、感染した人は注意を怠ったと考えている自粛警察なるものが発生する。

ブッダは、鋭い観察と洞察により、「人間は、三毒(貪瞋痴)に犯されやすい生き物であるから、これには注意しなさい」と説いた。三毒は、生きながらにして修羅界へ陥る入口なのである。

ブッダは、物事の真実(真理)を、よく観察し理解するように説いた。これを得た者は、正見・正思ができるようになる。

正見・正思ができるようになると、動じない心が生まれ、正しい判断ができるようになる。

正見・正思(慧:Understanding)を身につけるためには、正語・正命・正業(戒:Precepts)と正精進・正念・正定(定:Meditation)の実践が不可欠である。定の実践の一つは、呼吸と姿勢であり、これは座禅につながる。

誹謗中傷は、正語を実践していない状態である。現代の情報化社会をより良い社会にするために、正語は重要な意味を持つ。また、不安に陥るのは、正見ができていないからである。

仏教を勉強し実践する者は、正語・正見ができているから、誹謗中傷はしないし、やたらと不安に陥ることが無い。どんな事が起きても、動揺することが無い。冷静に物事を見る脳が育成され、好循環の中で、より正見ができるようになっていく。結果として、安定した心、動じない心が生まれ、穏やかな生活を送れる。

現代人は、仏教を学ぶ必要のある方々が多そうである。