「人様に迷惑をかけるな!」という言葉は傲慢

「人様に迷惑をかけないように!」

 

現高齢世代がよく使う言葉で、一見良いことを言っているように聞こえますが、私はこの言葉が嫌いです。

 

なぜなら、私は私、あなたはあなたと捉え、そこに障壁を作っています。「迷惑をかけないように!」とは、私もあなたに迷惑をかけないので、あなたも迷惑をかけるな!と言っているのです。この言葉を使う人は、自分は誰にも迷惑をかけていないと思っている人でしょう。では、あなたは、本当に迷惑をかけていないのでしょうか?

 

正しく物事を見れば、あなたは生きているだけで人様にも環境にも生物にも迷惑をかけています。例えば生物を殺して食べていますね。これだけでも迷惑です。皆、迷惑をかけて生きているのです。

 

そして、この言葉は、昭和後期から平成の間に蔓延し、関連する言葉として「自己責任」という冷たい愛情の無い観念を生み出しています。

 

「人様に迷惑をかけるな!」は傲慢で愛情の無い言葉です。生きているだけで迷惑をかけていることを認識して、迷惑をかけている対象に「日々、感謝する」というのが正見です。

 

多くのことに支えられて生きていることに気づき、そして感謝しなから生活しましょう。

合同宗祖忌

4月27日、開祖隠元(いんげん)禅師の宗祖忌を厳修いたしました。滋賀県地区の住職約20名が参集。隠元禅師が持ち込んだお豆が「インゲン豆」です。

 

合同宗祖忌2025
記録ビデオ

黄檗宗の開祖:隠元禅師の宗祖忌ならびに檀信徒各家先祖代々の供養を厳修致しました。

 

 

生命とは誠に不思議な存在

すべての生命の意識体は、元来、仏性(慈愛・慈悲の心)を持っている。そして、物質の体の一部である脳は、高次元にある自分の意識と情報交換するための送受信機となっている。

物質まみれの生活を送っていたり、いつもテレビを見ながら何かしたり、スマホを手に持ちながら別のことをやったりなど、意識を集中させず、常に失念させる「ながら生活」を送っていたり、また不平・不満・不安を常に抱えて生きていたりすると、送受信機である脳の働きが弱り(集中力低下)、高次元にある元来の自分の意識との接続が切れはじめ、ついには、意識(魂)と情報交換できなくなり、魂が抜けた物質の体だけになってしまう。

こうなると、その人は、単なる物質の体を持つ動く物となり、元来生命体に備わっている仏性は消え、体の欲求だけを追求する物体へと変わってしまう(住職は、このような人を「物質の人」と呼んでいる。)

認知症も進行すると、脳の機能が低下し、高次元にある、元来仏性を持っている自分の意識と送受信できなくなり、やがて物質の人になっていく。

「物質の人」は、体の欲が行動の動機となるので、元来生命体の意識に備わっている慈愛・慈悲の心は消えてしまって、自分中心の生き方をするようになる。

最近、「物質の人」が増えている。動物も植物も生命体として仏性を持っているが、物質の人は動物や植物以下の物体になってしまうのだ。